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Rows of treated water storage tanks (foreground) at Tokyo Electric Power's Fukushima Daiichi Nuclear Power Station on August 22. (© Kyodo)

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8月24日にも始まる東京電力福島第1原発処理水の海洋放出をめぐり、欧州の主要メディアは放射性物質トリチウムを含む処理水の安全性について詳報した。23日付仏紙フィガロは1面で「中国は放出に反対しているが、健康や環境への影響は取るに足りないレベルになる」と伝えた。

 

欧州連合(EU)は7月、福島第1原発事故後に日本産食品に対して発動した輸入規制を撤廃したばかり。フィガロ紙はフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の専門家の話を引用し、放出されるトリチウムの量は年間22兆ベクレルで、韓国の古里原発のほぼ半分、中国の秦山原発の6分の1に相当すると紹介した。フランスで使用済み核燃料を扱うラアーグ再処理施設では1京ベクレルを超えており、「比較するのがバカバカしい」レベルだと位置付けた。問題は健康被害よりも、日本食品のイメージだとして、漁業者が処理水放出を強く懸念している現状を報じた。

 

仏紙ルモンドは、国際原子力機関(IAEA)が安全基準に合致すると位置付ける中、中国が処理水放出に強く反対し、韓国でも反発が広がっていると紹介した。日本政府は英語、中国語、韓国語などで情報発信しながら、懸命に反論していることを伝えた。日本では「中韓の批判は偽善的という批判もある」とした。

 

福島第1原発事故後、「脱原発」を決めたドイツでは、環境保護団体が処理水放出に失望を表明し、日本が原発再稼働に動くことに抗議したことを公共放送ARDが報じた。一方で、フランクフルター・アルゲマイネ紙が、福島沖でとれた魚を食べても「トリチウムは体内で蓄積されることはない」とする放射能学者の解説を掲載した。

 

筆者:三井美奈(産経新聞パリ支局長)

 

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